朝の光が少し斜めに差し込むころ、
窓辺の小さな鉢たちがきらりと光を受けていた。
葉の先に小さな雫が残っていて、
まるで朝を喜んでいるように見える。
ジョウロに水を入れる。
まだ少し冷たい水が、金属の口から細く流れ出て、
葉の間をすべるように落ちていく。
その瞬間、
部屋の空気がふっと変わる気がする。
少し湿り気を帯びた風。
緑の香り。
そして、静けさ。
植物たちは何も言わないけれど、
毎日、確かに生きている。
少しずつ伸びて、
新しい葉をひらき、
太陽の方へ顔を向けていく。
私はその姿を見るたびに思う。
「無理をしなくても、成長できるんだな」と。
昨日よりもほんの少し、
光を受け止められるようになればいい。
焦らず、比べず、
ただ今日を積み重ねていく。
水やりを終えるころ、
葉の上の雫が光を反射してきらめいた。
まるで小さな拍手のように。
それを見て、
私も少し笑った。
朝の水やりは、
植物のためだけじゃなく、
自分の心を整えるための時間なのかもしれない。
――今日もまた、ゆっくり育てていこう。
緑も、自分も、同じように。

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